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【第4回】 失敗しない、後悔しない ー グッズ・ノベルティ制作会社の選び方    『工場にも得手・不得手が』

大手・優良企業と直接取引する制作会社6つのタイプを前回第3回でお伝えしました。

貴社に適したグッズ・ノベルティ制作会社を選ぶにあたり、どのような形態・タイプの制作会社が存在するか認識したうえで、更に個別の選定ポイントについて、深掘りしていきましょう。

 

同じアイテムカテゴリーでも複数の工場との取引が豊富か?

先ず、貴社の置かれている前提条件の確認です。

 

貴社が販売雑貨制作販売を行うにあたり、エンドユーザーへの売価に見合う制作コストと品質の両立を目指すのは当然のことです。また、貴社が販促プロモーション向けのノベルティ制作を行うにあたり、貴社商品・サービスに見合うストーリー性のあるノベルティ制作を投資対効果の高いコストパフォーマンス、かつ貴社ブランドを毀損しない品質の両立を目指すことも当然のことです。

 

上記前提条件に間違いございませんか?

 

間違いないとお答えいただいた貴社にとって、取引されるグッズ・ノベルティ制作会社は、同じアイテムでも複数工場との取引が豊富であるかどうかは、非常に重要な選考ポイントです。

同じアイテムカテゴリーでも工場には得意・不得意あり

どんな工場にも得意・不得意があることを事例でご紹介しましょう。

多くのお客様企業において制作される頻度の高いバッグ制作を例に挙げます。

 

バッグ工場は、日本国内・海外に限らず数え切れないほど多く存在します。

バッグ工場であれば必ず縫製ミシンの設備を備えています。本革製バッグの専用縫製ミシンを除けば、工員数、ミシン台数など工場規模に違いはあっても、縫製ミシンさえあれば、どんな種類のバッグでも制作することは基本的に可能であると言えます。

 

しかしながら、様々なバッグ工場には必ず得意・不得意が存在します。

 

このことは、工場側の立場にたってお考えいただくと理解しやすいです。

国内外のバッグ工場であっても、他業界同様、他社バッグ工場との競争の中でより多くの受注を獲得すべくバッグ工場を運営しています。

 

例えば、「帆布製バッグ」を制作する場合の大まかな工程は以下の通りです。

帆布生地調達(仕入れ) ⇒ 裁断 ⇒ プリント・刺繍等加工 ⇒ 縫製 ⇒ 検品 ⇒ 個包装 ⇒ 検針 ⇒ 梱包 ⇒ 工場出荷 ⇒ 納品物流手配

 

お客様オーダー内容によっては、

上記工程に「染色」「その他付属パーツ取り付け」などその他工程も加わります。

 

「帆布生地調達」という工程だけを抽出して考えてみましょう。

帆布生地調達を毎週、毎月一定数量の定期的に仕入れている工場と、年に数回しか仕入れていない工場では、当然、同じ番手の帆布生地でも生地メーカーからの仕入れ価格は異なります。また、生地メーカーへの発注回数だけでなく仕入れ総量によっても仕入れ価格が異なることは皆さんも容易に推測できることでしょう。

 

生地素材をある程度絞り込み、価格競争力を備えるバッグ工場があるということです。

これは上記の「帆布」に限りません。工場として、様々な生地の中から使用する生地を絞り込み、工場としての強みをつくっていることに他なりません。

 

また、「化粧ポーチ」など小物入れポーチに専念する工場もあります。

「縫製」という工程を考えますと、サイズなど若干仕様が異なっても、小さなポーチだけを繰り返し縫製する工員のポーチ縫製熟練度が上がるのは当然のことです。多種多様なバッグ制作を工員一人ひとりに教育していくことより、小さなポーチ類に特化することで教育しやすく、縫製ミスによるロスを減らし生産効率を高めることに注力することで、結果的に最小のコストにて工場として利益の最大化を目指すという判断をしています。

「ポーチ」「リュック」「ビジネスバッグ」など使用目的や形状を絞り込み、工場として強みをつくっているわけです。

 

「プリント・刺繍加工」という工程を考えますと、プリント(印刷)加工といっても、例えば、シルク・転写・インクジェットなど生地素材によって様々なプリント(印刷)加工の手法があります。異なる設備や生産ラインを備える工場も存在しますが、各設備やラインの稼働状況が悪ければ、工場としての人件費含め維持管理費用ばかり増えて、その費用はお客様への売価に転嫁せざるをえません。そこで、縫製ライン以外の加工は全てアウトソーシング(外注)しているバッグ工場もあります。多くの加工生産ラインを外注して自社工場に内包していないから、コストが高いというわけではなく、工場稼働率を上げ生産効率を上げること、フル稼働しないオプション加工は外注するという工場判断であり、結果としてオプション加工を外注しているからコストパフォーマンスが悪いとは言いきれないのです。

 

上記のとおり、素材、使用目的、形状、加工設備有無など同じバッグ工場でも、良し悪しではなく、得意・不得意が存在するというわけです。

 

さて、皆様の中にも、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

以前、お客様企業ご担当者から以下のご質問をいただきました。

「前回発注したポーチを生産してもらった工場で、リュックも作れますか?」

前回のポーチ制作工場にて、コストと品質にご満足いただけていたからこそのご質問でした。

 

先述した通り、大型のリュックやビジネスバッグでも制作することは縫製ミシンがあれば可能です。しかし、ポーチは得意であっても、不得意なリュックの制作となると、工員の縫製熟練度も考慮して、結果として不良率を高めに設定して見積を出す工場が一般的です。

工場としても不得意なアイテムについては、不良率の設定を高めにして結果として赤字の受注にならないようにしたいわけです。

 

その背景を熟知しているグッズ・ノベルティ制作会社は、

「前回、ポーチを制作した工場では、残念ながら前回ポーチ制作同様のコストパフォーマンスと品質維持は難しいと思われます。リュック制作に適した工場と数社取引がありますので、そちらでご対応いたします。」と回答してくれるはずです。

定期的に工場視察が行われているか?

同じアイテムカテゴリーでも複数の工場と継続取引のあるグッズ・ノベルティ制作会社を選ぶことが大事であることはご理解いただけたと思います。

 

特定のアイテムカテゴリーにおいても、得意・不得意な工場が存在するわけですが、全ての工場の生産稼働率は毎月一定ではありませんし、生産キャパも有限です。

貴社が制作されたい特定のアイテム・発注数量・希望納期に合わせた工場の選定は、優れたグッズ・ノベルティ制作会社でも最初から1社に決められず、適切だと思われる複数の工場との擦り合わせを徹底し選別したうえで、お客様企業に見積・納期など詳細について提出します。

 

また、グッズ・ノベルティ制作会社は、定期的に工場視察を繰り返し、工場の状況を把握しておくことが重要です。昨年まで納期遵守・品質維持も良かれと思っていた工場でも、熟練の工員はじめ生産ラインリーダー、品質管理責任者、梱包管理責任者など極端な例では1人の社員の退社により品質管理が急に悪くなることすらあるのです。

 

様々なお客様ニーズに対応可能かつ最適な複数の工場との取引が豊富かどうか、貴社においては具体的な証拠は把握しづらいですが、だからこそ、できるだけ多くの質問をぶつけて確認するべきポイントです。

岡本 将

執筆者

株式会社トップ代表取締役 岡本 将

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