【第3回】 失敗しない、後悔しない ― グッズ・ノベルティ制作会社の選び方 『大手企業との取引 6タイプ』
グッズ・ノベルティ制作会社の大きく分けて2つのビジネススタイルについて、前回第2回でお伝えしました。貴社が期待したいグッズ・ノベルティ制作会社のスタイルはこの会社だなとイメージはついたかもしれません。
今回は、多くのグッズ・ノベルティ制作会社から自社に適した制作会社の更なる絞り込み方法をお伝えします。
大手・優良企業との直接取引があるか?
大手・優良企業と直接取引実績のあるグッズ・ノベルティ制作会社であれば、一定の信用が置けるとお考えになるのは当然のことでしょう。
しかしながら、それだけで貴社の期待する対応ができるグッズ・ノベルティ制作会社であるとは限りません。大手・優良企業との直接取引するグッズ・ノベルティ制作会社においても様々なタイプがあることを知ったうえで、貴社に適した制作会社との取引をされることをお勧めします。
大手・優良企業と直接取引する制作会社6つのタイプを知っておいて損なし
➀大手・優良企業出身者が経営者、社員のいる制作会社
➁グッズ・ノベルティ制作以外の事業を本業としている会社
➂特定の業界に特化して様々なサービスを提供している制作会社
➃創業時の事業領域と異なるグッズ・ノベルティ制作会社に事業転換した制作会社
⑤グッズ・ノベルティ制作会社から独立した経営者による制作会社
⑥国内在庫品への名入れ(プリント)制作がメインの制作会社
上記6つのタイプを順を追って紐解いてみましょう。
➀大手・優良企業出身者が経営者、社員のいる制作会社
勤めていた大手・優良企業から独立してグッズ・ノベルティ会社を設立、もしくはグッズ・ノベルティ制作会社に転職して、勤めていた大手・優良企業からグッズ・ノベルティ制作を受注することがメインとなっている制作会社です。
大手・優良企業からすれば、元同僚であり気心も知っている安心感と、元同僚だからこそ自社・業界の方向性や仕事の勝手も知っていることは、発注元である大手・優良企業のご担当者にとって仕事を進めやすいとお考えになるのは容易に理解できます。
しかし、これから貴社が、このタイプの制作会社にグッズ・ノベルティ制作を相談するとなると話が違います。
このようなタイプの制作会社には、少なからず弱点があるからです。
●元上司・同僚といった人脈に頼った仕事であるため、元上司・同僚の異動や退職により長年にわたっての継続取引が進まず、経営が不安定となるグッズ・ノベルティ制作会社あり
●昨今特に大手・優良企業ではコンプライアンスの徹底が求められており、コンペ、相見積が必須の大手・優良企業も増える時代背景により、随意契約の減少に繋がり、長年にわたっての継続取引が進まず、経営が不安定となるグッズ・ノベルティ制作会社あり
(※補足説明:随意契約は、発注企業ご担当者にとってコンペ、競争入札準備の煩雑さ、膨大な時間と労力を削減するための契約方式に過ぎませんので、一概に悪い契約方式ではありません。)
➁グッズ・ノベルティ制作以外の事業を本業としている会社
グッズ・ノベルティ制作事業に参入する会社には、本業が広告業や印刷業、百貨量販店業からWeb制作会社に至るまでBtoBビジネスを展開している企業がクライアントサービスとして参入するケースが多く見受けられます。
充分な実績と経験、そしてモノづくりの知識探求を怠らず、知見を兼ね備えた営業担当者がこのタイプの制作会社にいることも事実でしょう。
しかし、見方を変えると、このようなタイプの制作会社営業担当者は、本業もしくはその他事業の営業掛け持ちや異動によりグッズ・ノベルティ制作部署に携わって間もないことにより、モノづくりの知識探求力の乏しい方が多いのも事実です。
上記背景により、素晴らしい知見を兼ね備えた営業担当者が貴社の担当になってくれる確率は、専業のグッズ・ノベルティ制作会社の営業担当者より低い可能性は否めません。
➂特定の業界に特化して様々なサービスを提供している制作会社
特定の業界向けに特化してグッズ・ノベルティ制作に限らず、様々なサービスを提供している制作会社が、存在します。
業界としては、特にコンサートライブグッズ関連、キャラクターグッズ関連にこのタイプの制作会社が多く、各種会場販売手配、ファンクラブ運営、ECサイト運営、アソートセット作業、個別配送作業など大手・優良企業ご担当者の膨大な仕事を一括して請け負う制作会社です。
このような制作会社は、全て社内にサービス対応する人や設備、作業倉庫など自社に内包して大手・優良企業に対応するというより、コントロールタワー的な存在となり、各種サービス対応できる会社にアレンジ指示を出すというディレクションを得意とする制作会社と言っても良いかもしれません。
昨今、ネット販売を強化されたい大手・優良企業が増加傾向にあり、消費者の手元に届けるまで一括して制作をお請けすることが可能な制作会社ですが、弱点もございます。
●多くの業界におけるグッズ・ノベルティ制作に携わっていないことによる柔軟なアイテム提案が苦手な可能性あり
●ディレクションを強みとしているため、グッズ・ノベルティ制作そのものの知識、知見が乏しいケースあり
発注元となる貴社ご担当者がある程度のモノづくりの知識に長けていないと後々アクシデントが発生するケースも散見されますので注意が必要です。
➃創業時の事業領域と異なるグッズ・ノベルティ制作会社に事業転換した制作会社
時代の流れ、市場の変化に合わせて企業が事業転換することは、正しいことであり、当然のことでしょう。創業当時の事業から事業転換して専業のグッズ・ノベルティ制作会社となった会社も多く存在します。
貴社の制作会社選びにとって大事な点は、事業転換した時期はいつであり、事業転換後、どれだけの実績を積み上げてきたかということをしっかり確認いただくことです。会社存続年数は非常に長くても、短期間ではさすがに優秀な人材が豊富であったとしても制作実績が乏しいために、モノづくりの知識・経験が不足している可能性もあり。
特に、事業転換して短期間の制作会社ほど、事業転換してグッズ・ノベルティ制作会社になったことを伏せてお客様対応すると耳にしますので、注意が必要です。
⑤グッズ・ノベルティ制作会社から独立した経営者による制作会社
このタイプの制作会社は、どの業界でもあるとおり、分かり易いタイプですね。
グッズ・ノベルティ制作会社に勤めていた社員が独立起業し、以前勤務していた制作会社の時から担当していた大手・優良企業を新会社でも取引を継続するというタイプです。
大手・優良企業のご担当者が、この人が当社の担当でないと困ると言わせるほどの類稀な営業能力を備えた社長です。そのような社長が貴社の営業担当になってくれたら嬉しい限りです。
しかし、どんなに能力の高い営業力を備えた社長でも、自らの仕事量には限界があります。お客様企業の増加に伴い、いつかは一人で対応できなくなります。また、急病などによるバックアップ体制に不安が付き纏います。
グッズ・ノベルティ制作においてワンマン社長1人では、企画・デザイン・データ入稿、サンプル作成・商品以外の取説やパッケージ包装の段取り・生産管理・検品・物流・納品まで対応することはなかなか難しいことです。会社組織としてのサポート・バックアップ体制を見定める必要があります。
⑥国内在庫品への名入れ(プリント)制作がメインの制作会社
国内在庫品への名入れ(プリント)制作をメインとされるグッズ・ノベルティ制作会社はネット上に数え切れないほど多く存在します。その中でも取引企業として大手・優良企業の名前がその制作会社のホームページに大量に掲載しているケースが散見されます。
国内在庫品への名入れ制作によるグッズ・ノベルティが貴社にとって十分に満足できるものであれば、取引対象となるグッズ・ノベルティ制作会社かもしれません。
但し、このような制作会社は、非常に注意が必要です。
敢えて厳しい言い方を申し上げますと、私たちTopにコンタクトいただきお取引いただくお客様企業から、最もクレームの多い制作会社のタイプです。
このタイプの制作会社の中には、対面営業をせず自社サイトを通じてネット対応をメインしている会社が多いですが、対面営業をせずネット対応をメインにしていること自体が悪いのではありません。対面営業を行わないことにより、移動コスト・移動時間を掛けず、パートタイム社員がネット対応するなど徹底してコストダウンを図り低単価で販売するビジネス手法に過ぎません。
実際に存在する問題のある制作会社とは、検品をしないどころか、品質基準が日本人目線では考えられない品質の納品を当たり前のように行う制作会社のことです。
その会社の常套文句は、日本人目線でみれば明らかに不良品であっても、
「当社ではその品質は不良品として考えていません。」
「そこまでの品質基準は、この安い価格で提供できません。」
「不良品交換には応じることができません。」
と耳を疑うような回答をする制作会社もあると、今まで多くのお客様企業からお聞きしました。
同業のグッズ・ノベルティ制作会社として、誠にお恥ずかしい話であり、非常に残念でなりません。
不良品が発生すること自体を、一概に悪いことだと言っているのではありません。
例を挙げれば、トヨタ自動車やソニーといった世界的企業でも、優秀な技術チームや部品工場を擁し、徹底した検査を繰り返しても、時にリコール届出せざるを得ない状況もあります。それだけ不良率0%は、モノづくりにおいて至難の業です。
不良品を99.99%出さないようモノづくりへの研鑽があったうえで、不良品発生の際に真摯に対応することは、グッズ・ノベルティ制作会社であっても同様の姿勢であるべきです。
だからこそ、国内在庫品だから、国内生産だから、品質基準が必ず高いということでは決してありません。いかに日本人目線を持った生産管理と検品体制が重要であるかということに他なりません。
上記に挙げた6タイプの複合タイプの会社も多く存在します。
各タイプ別に敢えて弱点という言い方でお伝えしましたが、貴社のグッズ・ノベルティ制作において弱点とはならないこともあるでしょう。
では、どのように貴社に適した制作会社を探し、選ぶべきかといえば、上記6つのタイプをご理解、認識いただいたうえで、当コラムの第1回、第2回にお伝えしたように【実績閲覧】【質問】を駆使して貴社にとって良い制作会社をお選びいただきたいと思います。
大手・優良企業との直接取引のある制作会社のメリット
➀制作コード・ガイドラインが用意された大手・優良企業
大手・優良企業の中には指定された制作コード・ガイドラインを細かく設定している会社があります。自社独自の制作コード・ガイドライン設定は、多くの企業にとっては手間のかかる作業ですので、グッズ・ノベルティ制作頻度の少ない企業にとっては自社でご用意されるのは効率的とは言えないでしょう。
お客様企業の制作コード・ガイドラインに沿った制作実績経験の有無は、制作コード・ガイドラインを設けていないお客様企業にとって、大手・優良企業独自の制作コード・ガイドラインの書面を見ることは叶わなくとも、その知見をグッズ・ノベルティ制作会社から享受することが可能であり、既に厳しい生産管理、検品体制を整えているグッズ・ノベルティ制作会社ともいえます。
➁企業独自の工場監査行う大手・優良企業
国内に有名テーマパークも運営する世界的キャラクターコンテンツ(版権)を持つお客様企業などでは、キャラクターグッズ・ノベルティ制作において、制作コード・ガイドラインの設定だけでなく、自ら厳しい工場監査も行っており、そのような監査を受けた工場との継続取引のあるグッズ・ノベルティ制作会社は、貴社にとって安心材料となり得るでしょう。
因みにですが・・・私たちTopはどの制作会社タイプ?
以下2つの複合タイプに相当します。
➀大手・優良企業出身者が経営者、社員のいる制作会社
創業者:大手百貨店出身 ・・・1975年創業以来、出身企業との継続取引中
2代目:大手不動産会社出身・・・2001年経営参画以来、出身企業との継続取引中
➃創業時の事業領域と異なるグッズ・ノベルティ制作会社に事業転換した制作会社
1975年~ギフト問屋業として創業
1996年~グッズ・ノベルティ制作事業に本格参入
2001年~ギフト問屋業撤退、グッズ・ノベルティ制作事業に特化、現在に至る
私たちTopの継続取引お客様企業一覧
https://www.sp-top.com/works/#client
➀制作コード・ガイドライン設定企業様の継続取引多くあり
制作コード・ガイドライン有無はお客様企業情報のため、具体的なお客様企業名の開示は出来ません。
➁監査承認得た工場との取引多くあり
先述の国内の有名テーマパークも運営する世界的キャラクターコンテンツ(版権)によるグッズ・ノベルティ制作を監査承認得た多くの工場にて、長期にわたり受注制作継続中。
キャラクターコンテンツ(版権)名は、お客様企業との取り決めにより開示出来ません。
執筆者
株式会社トップ代表取締役 岡本 将
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