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エコ素材 深掘りコラム<バイオプラスチック>

「エコ素材 深掘りコラム」では、昨今、企業のCSRの一環として注目されているSDGsの視点で、ノベルティに取り扱える生地の特徴や、そのメリット・デメリットなどについてご紹介しています。

 

それではまず、エコ・SDGsを意識したモノづくりとは何でしょうか?

 

ズバリ、サステイナブルな(持続可能な)モノづくりです。

となるとやはり、オーガニック、フェアトレード、再生・リサイクルは切り離せない領域になります。

 

そこで今回の「エコ素材 深掘りコラム」では、人と自然が調和した持続可能なグッズ・ノベルティ制作に向けて、Topが提案できるエコ素材について、SDGsとの関わり、そのメリット・デメリットをご紹介し深掘りしていきます。

 

今回は「バイオプラスチック」について深掘りしていきます

 

オリジナルノベルティ制作で半世紀近い実績をもつ当社・Topの視点ならではのヒントも盛り込んでいきますので、エコ素材選定の参考になれば幸いです。最後までお楽しみください。

バイオプラスチックが貢献するSDGsの3つのゴール

バイオプラスチックは以下の3つのSDGsゴールに大きく貢献します。

 

目標12「つくる責任、つかう責任」持続可能な生産消費形態を確保する

 

目標13「気候変動に具体的な対策を」気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

 

目標14「海の豊かさを守ろう」:持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

どのように貢献しているのか、深掘りしていきましょう!

バイオプラスチックとプラスチックの違い

バイオプラスチックを深掘りする前に、そもそもプラスチックについて少し目線合わせをしたいと思います

 

JIS(日本産業規格)の定義では、

必須の構成成分として高重合体を含みかつ完成製品への加工のある段階で流れによって形を与え得る材料」だそうです。

 

思わず、何度か読み直してしまいました(苦笑)。

 

プラスチック業界では、いま少し分かり易く「主に石油に由来する高分子物質(主に合成樹脂)を主原料とした可塑性の物質」と定義しているケースが多いそうです。

 

「主に」とあるように、現在、利用されているプラスチックの多くは、私たちの貴重な資源である石油から作り出されます。精製所で蒸留された原油のうちの、ナフサと呼ばれる液体が、プラスチックの原料です。

 

そのプラスチックには、大きく分けて以下の 2種類があります。

 

・熱可塑性(ねつかそせい)樹脂:熱を加えると、溶けて柔らかくなり、型に入れて冷やすと固まります。

 

・熱硬化性(ねつこうかせい)樹脂:熱を加えると熱可塑性樹脂同様、溶けて型に流れ込みますが、さらに加熱すると今度は硬くなり、一旦、硬化すると、基本的には熱を加えても再び柔らかくはなりません。

 

プラスチックによっては燃えやすさ、燃えにくさの違いはあるものの、基本的には燃やすことが可能で、燃やした時には二酸化炭素や水が発生します。

 

またプラスチックは、軽度・強度に優れ、透明性があるため、自由な着色が可能です。

 

バイオプラスチックとは

では、バイオプラスチックとは何でしょうか。

 

バイオプラスチックは、大きく以下の3つに分類されます。

 

➀バイオマスプラスチック(非生分解性)原料として植物などの再生可能な有機資源を使用するプラスチック

➁生分解性プラスチック(化石資源由来)微生物などの働きによって分解し、 最終的にCO,と水にまで変化するプラスチック

➂バイオマスプラスチックかつ生分解性プラスチック上記両者の特性を兼ね備えたプラスチックと言えるでしょう

 

例えば;

 

澱粉ポリエステル樹脂

PHA(ポリヒドロキシアルカン酸)

PLA(ポリ乳酸)

バイオPBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)

バイオPBS(ポリブチレンサクシネート)

 

が、バイオマスプラスチックかつ生分解性プラスチックに該当します。

 

※ネット上では、バイオマスプラスチックと生分解プラスチックを同じものと表現する記事も見受けますが、上記でお分かりの通り、その表現は正確性に欠けます。ご注意ください。

 

大前提:カーボンニュートラルとは

バイオプラスチックの魅力について深掘りする前に、そもそもなぜ今、バイオプラスチックが注目を浴びてきているのか、その背景である、カーボンニュートラルについて触れたいと思います。

 

カーボンニュートラルとは

 

2015年フランス・パリにて開催された「国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)」にて合意されたパリ協定において、2020年以降の気候変動問題、温暖化対策に関する国際的な枠組みの中で、カーボンニュートラル:温室効果ガス排出量と吸収量のバランスを取る」という長期目標が掲げられました。

国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)において、地球の温度上昇を1.5℃以内に抑えるには2050年ごろにはカーボンニュートラルが必要と報告されています。

多くの方がご存知の1997年に採択された「京都議定書」では先進国^を対象としていましたが、「パリ協定」採択後、125の国と地域が2050年までにカーボンニュートラルの実現を表明しています。

アメリカのトランプ前大統領が2017年にパリ協定離脱を表明して、バイデン大統領が2021年に復帰手続きをしたことも話題になりました。日本でも2020年に当時の菅首相が2050年までにカーボンニュートラルの実現を宣言したこともあって近年新聞やマスコミで取り上げられることが多くなりました。

 

バイオプラスチックの魅力

バイオマスプラスチックの場合

 

バイオマスプラスチックの原料は植物由来です。それら植物は、その成長時にCO2を吸って成長し、酸素を排出します。バイオマスプラスチックも燃やせばCO2は発生しますが、原料である植物が吸収したCO2の量は超えず、まさに排出量と吸収量のバランスを実践しています。ですから、そのメリットは以下が際立ちます。

 

カーボンニュートラル

 

化石資源の利用削減

 

また、バイオマスプラスチックの原料にはサトウキビやとうもろこしも含まれるため、新たな農業の振興にもつながるのでは、と見る向きもあるようです。

 

生分解性プラスチックの場合

 

生分解性プラスチックは、微生物等によって比較的短時間でCO2と水にまで分解されるため、以下のようなメリットがあります。

 

環境中(特に海洋)に滞留するプラスチックゴミの削減

 

廃棄物処理の合理化

 

両者はまさにカーボンニュートラルの実現に貢献し、先に触れたSDGsの目標12、13&14にも直接的な貢献をすると考えられています。

 

バイオプラスチックの弱点・課題

一方、地球温暖化やプラスチックごみの問題がこれだけ注目を浴びていながら、2021年の世界のバイオプラスチック生産量は、全プラスチック生産量3.7億トン推定に対して、1%にも満たないものでした 注1)。

 

その背景ともいえる、バイオプラスチックが現時点で抱える弱点・課題を深掘りします。

 

●流通量が少なく、生産コスト高

化石燃料由来のプラスチックより、調達コストが高く生産量が少ないため、スケールメリットによるコストダウンが生まれにくい

●不均等な機能性・品質

リサイクル100%バイオマス原料だけでは機能性・品質が維持できず、混錬(※)されたプラスチックが多いため、通常プラスチックのようにリサイクルできず焼却処分する必要あり

(※混錬:「混ぜる」「つぶす」「練る」「つく」の一連作業の意味)

●生分解性は100%保証されていない

生分解されないバイオプラスチックは、マイクロプラスチック問題あり

(マイクロプラスチック問題とは:生産時発生や紫外線や風雨にさらされ劣化し粒子状になった5㎜以下の微細な非生分解性プラスチック粒子は、海 を漂い続け生物の誤飲により海の生態系に影響を与える問題)

 

●認証規格の不在

直接的な商品デメリットではありませんが、EUを中心に需要が高まるバイオプラスチックには、現時点では、世界統一の認証規格がありません。

つまり、「100%バイオマス原料プラスチック」は、100%ですのでバイオマス使用メリットを最大限引き出せますが、バイオマス資源量を多く必要とし、高コスト・品質維持困難・流通量が少ない点が難点です。

一方、「部分的バイオマス原料プラスチック」は、バイオマス原料比率が下がるほど、バイオマス使用メリットは下がりますが、100%枯渇資源(化石燃料資源)と比べれば、地球環境への負荷を抑えることができます。

更に、メーカー工場設備を利用して生産可能であり、枯渇資源(化石燃料資源)由来の商品と同等の品質維持も容易です。

100%でないから眉唾?なアイテムということではない点は、是非ご理解ください。

 

また世界のバイオプラスチック生産能力は、2026年には約759万トンと、2021年の3倍以上に増加し、世界のプラスチックに占めるバイオプラスチックの割合は約2%となる見込みとなっています 注2)。

 

日本国内においても、既に2021年の国内バイオプラスチック市場規模(国内出荷量ベース)は8万8,530トン、前年比で21.1%増加したと推計されており注3)、同材料への注目、市場拡大の流れは続くと見られています。

 

注1)公益社団法人 化学工学会

https://www.scej.org/docs/publication/journal/backnumber/8702-open-article.pdf

注2)欧州バイオプラスチック協会1)(EUBP, European Bioplastics)

https://www.european-bioplastics.org/

注3)矢野経済研究所:「バイオプラスチック市場に関する調査を実施」プレスリリース(2022年11月1日)

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3116

 

私たちTopの取扱いバイオプラスチック素材

Topでは現在、100%及び部分的バイオマスプラスチックに注力して、素材の取り扱いをおこなっています。

 

例えば、茶葉、コーヒーかす、木くず、モルト、竹、おから、竹炭、サトウキビ etc.

上記以外の貴社で発生した残渣(※)も活用可能です、まずはお気軽にご相談ください。

※残渣:液体や固体など目的の成分を取り除くために溶解・ろ過した後のあまり部分)

また100%生分解性プラスチックは、アイテムによってメーカー対応の可否が異なります。

こちらもまずはお問い合わせください。

貴社CSR活動の一環としてのノベルティ制作

まさに現在進行中!といえるバイオマスプラスチックについて、今回は深掘りを試みました。

 

まだまだ当社も情報収集、学ぶべき事柄が山積みですが、まずは急ぎ

貴社CSR活動の一環として、バイオプラスチックを活用したノベルティ制作の意義・位置付けをシンプルにまとめ直してみました:

 

【バイオマスプラスチックは、地球温暖化防止と枯渇資源(化石燃料資源)の使用削減に繋がります】

 

 【生分解プラスチックは、廃棄時の環境負荷軽減(※)に繋がります】(※地上での分解は想定されていますが、海中では分解されにくい)

それぞれの素材がどのように地球規模問題に貢献するか、具体的な環境への貢献の仕方、その相違点を理解し、貴社のブランディング、商品・製品プロフィールとより親和性の高い素材を選定することが、貴社CSR活動の一環としてのグッズ・ノベルティ制作において重要です。

 

何故なら、貴社商品・サービス、更には貴社ブランド向上のストーリーとして繋げられるか(=マッチするか)が、貴社グッズ・ノベルティ制作において、非常に大切と考えるからです。

是非、エコ・SDGsグッズ制作をご検討の際には、私たちTopと一緒に企画制作されませんか?様々なエコ素材の知識を持つ当社にご相談いただければ幸いです。ご連絡お待ちしています。

 

お時間あれば、以下特集サイトもご覧ください

エコ・SDGsノベルティグッズ制作 | オリジナルグッズ・オリジナルノベルティなら株式会社トップ (sp-top.com)

 

岡本 将

執筆者

株式会社トップ代表取締役 岡本 将

販売雑貨・ノベルティ・資材のオリジナルグッズ制作お任せください。
海外生産による大量ロット制作から国内生産による小ロット制作まできめ細やかに対応いたします。
お客様企業にとって、より良い商品制作の信頼できるパートナー、相談相手として徹底した品質管理で日本クオリティを守ります。

→ブログ「寝ても覚めても」

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