思い込みを疑う

昨日12月23日の日経夕刊の記事に興味深い内容がありました。

中国で日本観光の人気が高まり続けている。
日本を旅行した経験のある中国人に聞くと、
「ホテルの予約をしづらい」
「交通機関の中国語案内が少ない」
などの声もあがり、日本側で改善する余地がありそうだ。

と書かれていました。(一部抜粋)

この記事を読んで、私の感想は「驚き」です。
19年近く毎月中国を訪問し続けている私は、
実際、ここ数年中国で会う中国人の多くから、
「日本では駅でも店でも中国語表記が多くあり、
中国語アナウンスが多すぎて日本に旅行に来た気がせず、
旅行気分を味わえない。」
というコメントを多く耳にしていたためです。

加えて「ホテルの予約をしづらい」というコメントは、
聞いたこともありませんし、
宿泊先ホテルのサイトに直接予約をする訪日客が多い
ということにも驚かされました。

私が会う中国人といえば数十人に過ぎず、
日経新聞の記者が大量に集めた調査内容
からの記事であろうことから考えれば、
私の耳にしていたコメントは少数意見なのでしょう。

私たちのビジネスに照らし合わせますと、
ある一定のコメントを盲信し、
あたかもそれが大多数の意見と、
思い込んでしまうことがあるのではないか、
思い込みを疑う必要があるということ。

常にお客様にも置かれた状況ごとに様々なお考えがあり、
そのご意見、お考えを真摯に受け止め真意をきちんとお聞きし、
お客様に寄り添っていかなくてはいけないということ。

この新聞記事からの学びを、全社員で共有し、
今後のお客様対応に活かしていきたいと思います。

大掃除の目的

先週末、全社員で「大掃除」を行いました。
10数年前から年に2回必ず行う
当社のルーティンワークとなっています。

「大掃除」は単なるオフィスが綺麗になって、
気持ちが良いというだけの目的ではありません。

無数に増えるサンプルや予備品の整理整頓を
行うことで仕事効率を爆発的に高めることも一つの目的です。

法律上保管しなければいけない書類以外は、
半年、1年と触れてもいないモノや書類を裁断、シュレッダーにかけて、
処分することでアタマの整理にも繋がる効果もひとつの目的です。

私は常日頃より、誰もが平等に持つ限りある時間を有効に使うには、
先ずは勇気をもって、作業やモノを「捨てる」ことから始めなければ、
新しいモノやコトを取り入れることはできないと思っています。

自宅のモノは「もったいない」
と捨てにくいのは個人的に理解できても、
ビジネスでは「捨てる」ことができなければ、
社内に無駄な仕事ばかり残り、
更にチームメンバーは仕事している気分にだけなり、
結果としてお客様も社員も笑顔になれないと思うのです。
その考えを全社員が共有すべく「大掃除」を行います。

お客様は「結果」を求めていらっしゃいます。
「クオリティ」「コストパフォーマンス」「クイックレスポンス」
はじめその他多くの要素をご期待いただき、お応えしていくために、
お客様に喜ばれない無駄な作業、無駄な時間、無駄なコストを
徹底的に取り除き続けてまいります。
ご期待ください!

東南アジアでは生産しないのですか?

先週のブログで書いた話に反響がありました。
嬉しい限りです!

「リスクを事前に察知、確認して、
アクシデントを起こさない
行動基準はとても素晴らしいですが、
中国生産一辺倒もリスクではありませんか?」
とご質問をいただきました。

確かにご指摘の意味はよく解ります。
日中の政治的な話は専門家にお任せするとして、
毎月中国出張を続けている私の結論としては、
日中戦争でも起きない限り、
中国とのビジネスは継続可能と判断しております。

5~6年といったスパンでは、
日中戦争は起こらないと予想しておりますが、
遠い将来も戦争は起こらないと平和ボケしていては
経営者は務まりませんので、
東南アジアでの生産に対する情報収集は行っています。

今のところ、インフラに加え資材調達の問題など
不安定な話を耳にしますので挑戦を超えるギャンブルは、
お客様の笑顔に繋がらないと現時点では考えております。

ただ耳で聞いた情報だけで正確に判断することはできません。
時間を確保して東南アジアに赴き、現地工場の視察を積み重ね、
Topとして別注(フルオーダー)アイテムの展開レベルを
更に向上できるように漸進してまいります。

なぞそんなに出張が多いのですか?

「なぜそんなの出張が多いのですか?」
この質問を国内外多くの方からいただきます。

その多くの方から次に聞かれるのが、
「検品なんて社員にしてもらえばいいのでは?
わざわざ社長が行かなくても。。」

私が個別案件の検品のため、毎月出張に行っていると、
多くの方から思われているようです。
しかしながら個別案件の検品を私ひとりがするのであれば、
私が東京に戻らず中国に常駐し続けても、
お請けしている全アイテムを検品することは時間的に不可能です。

私が中国出張に行く理由は以下3点に絞られます。

1)全ての中国工場の状況変化を把握すること
⇒ 工員及び生産ラインリーダー、工場長、社長の現状変化及び
工場の生産状況の変化を定期的に把握することで、
各工場の近い未来の状態を予測し、
発注調整することが大事だからです。

2)量産開始時に各アイテムの仕様、資材を全て確認すること
⇒ 出荷前の検品は社員が現場立ち合いすることはありますが、
各地域の第三者検品会社との間で、
検品項目を細かく文書かつ打ち合わせたうえで、
全アイテムの出荷前検品を委託しています。

それ以上に量産開始時点で、
各アイテムを事細かに全ての仕様を目視チェックすることで、
量産を進めて良いか判断することが最も重要です。
最終承認サンプルと異なる
資材パーツ仕様、色違いが納入されていることが、
残念ながら散見されるのが中国工場の現状なのです。

量産において仕様間違いを見つけるのが遅くなればなるほど、
納期の問題だけに限らず、修正に時間が割かれることになり、
品質維持のリスクが増大する懸念があるためです。
出荷前に問題を気づくようでは後の祭りです。

3)新規工場の視察、新規アイテム探しを継続すること
⇒ 企業も工場も未来永劫ではないという考えのもと、
常に新規工場の視察を継続する時間を確保し、
視察する工場では得意なアイテムを確認し、
Topとしての企画提案力底上げを継続し続けることも、
お客様の笑顔に繋がります。

私が工場に赴くことで、各工場の社長や責任者と面会、
緊密に話し合い、共に食事をすることで
相互信頼を築くことも重要と考えます。
時に無理を聞いていただけるのも、
最後は、人と人の信頼関係だと思うのです。